監修:桝田省治
定価:本体1000円+税
行方知れずとなっていたクラスティは中国サーバーの仙境で退屈を持て余していた。一方、仙境のふもとの〈天狼洞〉ダンジョンに挑むことになったカナミ一行。しかし「強すぎる」がゆえにエリアスだけがダンジョン参加が不可能となってしまう。己に存在価値はないのか? 悩めるエリアスをそそのかす葉蓮仙女の暗躍により、エリアスとクラスティが苛烈に激突する!
●キャラクター紹介
種族:ヒューマン
メイン職業:守護戦士
サブ職業:狂戦士
HP:15974
MP:7987
アキバ最大の戦闘ギルド〈D.D.D〉のギルドマスター。ゴブリン軍討伐のための遠征中に災厄に巻き込まれ行方不明となっていた。しかし今回明らかになった情報によれば、その後記憶を失った状態で中国サーバーに飛ばされていたらしい。何者かにかけられた呪いが今もその身を蝕んでいるものの本人はいたって平静であり、お菓子作りをしてみたり小間使いの少女をからかったりと、悠々自適といってよい毎日を送っている。
性格はひょうひょうとして掴みどころがないうえに口がうまく〈大地人〉貴族相手でもうまく立ち回ることができる。生来のカリスマを持ち巨大組織を束ねることと、ビジョンをもって組織を設計できる帝王学的な能力と合わせてあこがれる女性には事欠かない。
ソシアルダンス、乗馬、女性用の香水、プレゼント、料理などにも詳しくスキのない完璧超人だという評価もある。もっとも側近である高山三佐には、そのあたりを含めて「いたずら小僧のよう」「始末に負えない」と言われることも。
今回の物語では、今まで謎だった過去もあきらかになりいっそう魅力(異説あり)を増した。作者は章を書き終わるたびに「こいつ! クソ! こいつ! お前なんでそうなんだよ! 凹めよ! おい!」とクラスティに言ってるのだが最後までクラスティ過ぎて負けたらしい。作者より強いとかなんなんだ。
種族:貂人族(大地人)
メイン職業:天吏
サブ職業:毒見係
HP:535
MP:468
中国サーバにある〈仙境〉のひとつ〈白桃廟〉にて勤務している天吏(天宮の官吏)のひとり。見た目は小柄な少女に見えるが、本来の姿は直立したオコジョに似た〈貂人族〉である。クラスティを「仙君さま」と呼んで慕っているものの、何を考えているかわからない彼の前では、何か粗相をしていないだろうか、機嫌を損ねていないだろうか、と不安になることも多い。
もっとも食いしん坊な彼女と彼女の仲間たちは、甘いものでたやすく騙されてしまうので、日々は平和で満ちているようだ。
平和ではあるが変化に乏しい〈白桃廟〉での毎日において、リアクションに富んだ彼女との会話はクラスティにとって丁度いい退屈しのぎのようだ。その純真さが、彼にも何らかの変化をもたらすのかもしれない。ハラ先生のイラストがとても可愛らしく、旅装はきっともんぺだと思われる。連れ回すクラスティの絵面はたぶん犯罪的。
「冷凍呪文でひやすのが玄人のテクニックですね」
「パイン味って言いますが、これパイン入ってませんよね」
種族:猫人族
メイン職業:守護戦士
サブ職業:武侠
HP:14363
MP:7004
中国サーバの護衛ギルド〈楽浪狼騎兵〉の万騎長(ギルドマスター)。メンバーは全員が騎乗動物として乗用狼を従えており、機動力を生かした派手な大規模戦闘で知られる。率いる朱桓も「楽浪の黒豹」「驃騎将軍」とあだ名される一騎当千の猛者だ。野性的な風貌にたがわぬ豪傑肌で、自ら部隊の先頭に立って指揮をとる勇猛さと冷静な戦術眼を併せ持つ。
〈冒険者〉が〈大地人〉を巻き込んで勢力争いを繰り広げ、戦禍を拡げている現状を憂いて中原を離れた彼は、仲間と共に西域を拠点にして行商の護衛やモンスター退治を行っている。
零細ギルドの頃から「仲間と楽しく過ごす」という家族主義であるため、慕ってくる仲間や部下を見捨てることが出来ない。その範囲は〈冒険者〉にとどまらず、難民化しつつある〈大地人〉にまで及ぶため、彼の苦労は当面解決される見込みはない。と言うか、「レザリックの性格を持ち合わせたアイザック」的な意味でたぶんめちゃくちゃ苦労する。仁をもつ為政者ってホントカワイソス。
種族:ヒューマン
メイン職業:施療神官
サブ職業:辺境巡視
HP:10830
MP:9889
朱桓率いる〈楽浪狼騎兵〉の主要メンバーのひとり。中国サーバー西方のギルド〈楽浪狼騎兵〉に所属する巡廻師の女性〈施療神官〉。
切れ長の目と細い眉の凛々しい顔立ち。頭の左右で丱髪(包子頭とかお団子頭などとも言われる)に結った茶色の髪は肩まで伸びている。筋肉質な長身を紅薔薇が刺繍された優美な革鎧に包んでいるが、実はカナミに比肩しうる程の巨乳でもある。
片手持ちの直剣(大極剣)を手に、前線で攻撃と回復を行う遊撃的なスタイル。戦闘では施療神官という職業柄バックアップに回ることも多いが、いざとなれば愛狼とともに敵中に乗りこんで剣を振るう女傑である。施療神官としては軽装で防御は薄いが、その分を乗用狼による機動力で補う。
生真面目な性格で義理堅く、護衛の旅では〈大地人〉との折衝や交渉事などを担当することもある。戦闘のない時も狼に跨って大平原を駈けるのが好きで、気に入った情景を目にするとその場にしばらく留まって漢詩を諳んじるという風流な一面もある。
遠征での事故の結果カナミと行動をともにすることになりその流れで担当を既成事実とされてしまった。常識人である彼女の心労は察して余りあるものである。
種族:子守狼
メイン職業:なし
サブ職業:なし
HP:3326
MP:3326
気を失っていたクラスティを仙境〈狼君山〉へと運んだ、体長2mはあろうかという巨大な〈賢狼〉。記憶を失ったクラスティを主と見定めたかのように傍に付き従う。灰色の毛並みを持つ精悍な姿であり、強靭な体躯と鋭い爪牙を持ちながらも、理知的な振舞いをする。
〈狼君山〉では珍しい西域発祥の種族〈子守狼〉であり羅馬では英雄を育ているという伝説を持つ。生肉も食べるが、果物や焼き菓子も愛する肉食獣らしからぬ嗜好を持っており、貂人族らとともにクラスティに侍る本エピソードの重要キャラクター。あざなはタラーク。知恵と慈悲をもって眠りにつく主人を守っている。