ログ・ホライズン外伝 櫛八玉、がんばる!
著:山本ヤマネ イラスト:平沢下戸
監修:橙乃ままれ/桝田省治
定価:本体1000円+税
シリーズ初の外伝! クラスティの元部下・ “突貫巫女”櫛八玉 が主役! ゲーム世界に閉じ込められた<大災害>直後、アキバから少し離れたテンプルサイドの街も荒れていた。そこには、ゲームを引退しそこなったレベル90の“突貫巫女”の櫛八玉 をはじめ、櫛八玉の親友で”困ったちゃん”なヤエザクラとその彼氏のユウタ、ヤンキーのダルタスなど個性的なプレイヤーの面々が。櫛八玉以外は、中級レベル以下の「初心者集団」一行がアキバをめざし奮闘する手探りの大冒険! !
  • 【通常版】

●キャラクター紹介

三羽烏の三人目はダウナー気味な姉御肌
櫛八玉(くしやたま)
レベル:90
種族:エルフ
職業:神祇官(ルビ:かんなぎ)
HP:10777
MP:10973

ギルド〈D.D.D〉の元中心人物の一人にして、高山三佐、リーゼと共に三羽烏と呼ばれていた、大規模戦闘における現場指揮担当。(幻想級)アイテム、〈源氏の鎧〉がトレードマークで、その高い防御力を活かして大規模戦闘の最前線で指揮をするという〈神祇官〉らしからぬ戦闘スタイルから”突貫巫女”、”黒剣もドン引き”などと呼ばれていた。面倒見の良いさばさばとした姉御肌ではあるのだが、おだてに弱く騙されやすいことから、貧乏くじを引き気味な苦労人でもある。仕事の多忙さと、いい歳なのに彼氏が居ない事への焦りから〈大災害〉の数ヶ月前に〈D.D.D〉を脱退。これで最後と〈エルダー・テイル〉にログインしたタイミングで、〈大災害〉に巻き込まれる。

源氏の鎧《げんじ-よろい》
実兄の裏切りによって討たれた〈イズモ騎士団〉の英雄が使っていたとされる装備のひとつ。今なおその魂を一部宿しており、装備者はその助けによりあらゆる刀を自在に操ることが出来るようになると伝えられている。
「なんか最近、こいつが話しかけてくるみたいな気がするんだよね……」
雲切牡丹《くもきりぼたん》
どこか可愛らしい印象を与える意匠とは裏腹に、鋭い切れ味を誇る〈秘宝級〉の名刀。極めた技の精神統一を助ける効果があり、奥伝以降に達した特技の再起動規制時間を短縮する効果を持つ。
「長さがちょうどいいし、なにより鍔の意匠が良いよね」
古竜髭の髪紐《こりゅうひげ-かみひも》
知性の高い古竜が、友好の証として稀に他種族に与えるという髭の先から作り出した髪留め。櫛八玉は無造作に長い髪を纏めるために使っているが、所有者に強いカリスマを与えるとされる、為政者垂涎の宝具である。
「コレ手に入れた時のレイドがまた大変でさあ」

お調子者でいじられ役な〈D.D.D〉のルーキー
ダルタス
レベル:52
種族:ヒューマン
職業:守護戦士
HP:6188
MP:3048

テンプルサイドの街で〈大災害〉に巻き込まれたプレイヤーの一人で、〈D.D.D〉に所属したばかりの初心者〈守護戦士〉。大規模戦闘系ギルドに所属していることを鼻にかけて中小ギルドや無所属のメンバーを見下していたが、色々あって改心した模様。頭が悪くお調子者ではあるが決して悪人ではなく、〈大災害〉以降にできた仲間を守るための鍛錬を怠らない努力家でもある。現実世界ではサッカー部に所属する男子高2年生で、先輩に褒められるのがとても嬉しいお年頃。

黄金兜の戦鎧《おうごんかぶと-いくさよろい》
ゴーレムよりも固いといわれるゴールデンヘラクレスの殻を使用した重鎧。加工すると金色だった殻が鈍い鋼色になるため名前負けしていると不人気気味だが、初心者にとっては値段の割に防御力の高いお値打ち品。
「色は地味だけど性能は悪く無いんっスよ」
大型のナイトシールド《おおがたの-》
職人が付与を行ったナイトシールド。ユーザーが作り出すアイテムは同名でも形状の種類がいくつも存在する。ダルタスが使うものはその中でも面積が大きく、ブレスなどから身を守る効果が高い。
「第八の露天の掘り出し物だったんっスよ」
訓練教本《くんれんきょうほん》
ギルド〈D.D.D〉で集団演習の参加者に渡される教科書。心構えや注意事項、連携のパターンなどが高山三佐直筆のイラスト付きで事細かに書かれている。新規メンバーにとってはこれをもらうことが最初の目標とのもっぱらの噂。
「なんか本とか読んでると眠気が……」

押しが弱くて流され気味な、草食系〈武士〉(だんし)
百目
レベル:28
種族:ヒューマン
職業:武士
HP:3003
MP:1556

大学の講義とバイトの合間に〈エルダー・テイル〉をプレイするライトゲーマー。姉が二人いる家庭で育ったのと、吹奏楽部という女子が大半という環境を経験しているため、女性慣れはしているものの、むしろ慣れすぎて異性に夢が持てず一歩引いた目で見てしまうという、ある意味不幸な境遇にある草食系男子。幸か不幸か〈大災害〉後も女性ばかりのパーティーのリーダーをすることとなり、メンバーにふりまわされる日々を送っている。

鋭刃の長脇差《えいじん-ながわきざし》
低レベルから装備可能な切れ味と扱いやすさを併せ持つ片手武器。駆け出しの〈鍛冶屋〉 が魔法を付与したアイテムで、「鋭刃の」は与えるダメージが少し上昇することをあらわす。
「ほら、これくらいなら〈大地人〉の鍛冶屋でも付与してもらえるから」
柳緑の鎧《りゅうりょく-よろい》
正面から受け止めるのではなく、受け流す加工をされた和鎧。軽くしなやかなため動きを阻害せず、スピード型の戦士に人気がある。花紅という対になる上着とセットで装備すると速度上昇のボーナスを得ることができる。
「ほら、防御力は心もとないけど、バランスは良いから」
一の目しかない賽子《いちのめ-さいころ》
賭け事をテーマとしたクエストでもらえるジョークアイテム。見た目は普通のサイコロだが、いくら振っても一の目しか出ない。百目の友達がお前とは正反対の名前のアイテムだといって投げてよこしたもの。
「えっと、これってファンブルってやつかなあ?」

さわやか笑顔のイケメン〈武闘家〉
ユウタ
レベル:46
種族:ヒューマン
職業:武闘家(ルビ:モンク)
HP:6254
MP:1921

ヤエザクラと付き合い始めたことをきっかけに〈エルダー・テイル〉に数年ぶりに復帰した〈武闘家〉。とはいえ復帰時に新しくキャラクターを作りなおしているため、ヤエザクラと同様にレベルは低い。休止前もギルドには所属しておらず大規模戦闘の経験などはないが、当時の最高レベルである80までキャラクターを成長させていたため、それなりの知識を持っている。外面的には人当たりが柔らかく良い人と思われることが多いが、実は相当にマイペースで大抵のことを笑顔でごまかす策士。

砕牙の拳《さいが-こぶし》
中レベル向けの〈魔法級〉格闘武器。攻撃力は低いが、一定確率で敵の攻撃力を低下させる能力を持つ。パートナーであるヤエを守るため守勢に回ることが多い彼の愛用の品。
「まさに搦め手ってやつです」
西方白虎の皮鎧《さいほうびゃっこ-かわよろい》
四神がひとつ白虎の皮を用いた鎧。守護の加護を宿し、あらゆる災厄に対して幸運ボーナスを与える。かつてはトッププレイヤーのみが手にすることのできる防具だったが、今ではコンテンツの推移によりお手頃価格の中堅アイテムである。
「ちょっと名前が立派すぎるとは思うんですけどね」
水雲の脚絆《すいうん-きゃはん》
マーケットで購入した〈幻想級〉素材まで投入した〈製作級〉の足甲。素材がレアなためユウタのもつ装備の中でも一番高価だったりする。森の中や水辺やぬかるみを歩くときも姿勢を保持してくれる隠れた優れもの。
「お洒落は足元からってやつです」

はらぐろトラブルメーカーな小悪魔〈妖術師〉
ヤエザクラ
レベル:46
種族:ハーフアルヴ
職業:妖術師(ルビ:ソーサラー)
HP:3230
MP:4933

〈大災害〉時に新規作成したキャラクターでログインしていたため、知識と経験はあれどレベルは低いという一風変わった状態になっている廃人プレイヤー。櫛八玉とはゲーム内外において10年来の付き合いで、〈大災害〉後も基本的に行動を共にしている。ゲーム時代、〈D.D.D〉に所属していたキャラクターは〈守護戦士〉で、大規模戦闘のメインタンクも務めることができるほど能力は高い。しかし基本的に自分の興味でしか行動を起こさないためギルドの運営などには関わらず、面白そうなことや儲け話になりそうな事があるときだけ周りを巻き込んで大騒ぎを起こす、社交能力と行動力をあわせ持つハイエンド困ったちゃん。基本トラブルメーカーであるため、同ギルドの高山三佐にはいつも警戒されているとか。

宮廷女官のローブ《きゅうていにょかん-》
中国サーバーで購入した(製作級)のローブ。装備としての性能はイマイチだが、櫛八玉の倉庫の中にあった服の中で一番デザインが好みだったため奪って愛用している。実は子供服サイズで丈が足りていない。
「可愛いっしょ? まさに私のためのアイテムって感じじゃん」
螺旋の枝先《らせん-えださき》
螺旋を描き伸びる巨木の枝から作り出された魔杖。〈製作級〉武器としては中堅どころ。クリティカルヒット時のダメージを増加させる特殊効果がある。効果発動時に魔法のエフェクトが少し派手になるのが彼女のお気に入り。
「やっぱ、ぐるぐるどっかんばりばりでしょー」
正しい小悪魔の帽子《ただ-こあくま-ぼうし》
比較的入手が容易な中レベル〈秘宝級〉装備。最大MP増加、詠唱速度の上昇など魔法使い系職業向きの特性が満載なのだが、どれも数値的には小さく決定的装備ではない。皺になりにくいところは流石異世界クオリティ。
「べつに背の低さ誤魔化してるとかじゃないもん!」